このサイトについて
#てがろぐ をCMSっぽく使うためのスキン「CMSkin for てがろぐ」のデモサイトです。パスワードなしでログインできるゲストアカウントで使いごこちを一部お試しできます。テスト投稿どうぞ!
配布を開始しました !
スキンについての詳細はカテゴリ「スキン概要 」で説明しています。
ご意見・ご要望募集中です!
など、お待ちしています。
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動作環境
(先頭固定)
動作環境
CMSkin for てがろぐは
の状態で想定通りに動作・表示ができます。動作・表示確認は以下でしています。
その他の環境で表示したときの情報を求めています。
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CMSkin for てがろぐは
- てがろぐ Ver. 3.9.4β以降
- Javascript・CSSともに有効
の状態で想定通りに動作・表示ができます。動作・表示確認は以下でしています。
- Windows10 - Firefox・Edge・Vivaldi
- Android - Firefox・Google Chrome
その他の環境で表示したときの情報を求めています。
「CMSkin for てがろぐ」の特徴
(先頭固定)
「CMSkin for てがろぐ」の特徴
以下のような特徴があります。
(対象画像がありません)
以下のような特徴があります。
- なるべく簡単に表示非表示を取捨選択できるようになっています(を目指し中)
- てがろぐの機能(ほぼ)全部盛り
- 独自表示・機能
- 検索ロボット避けメタタグ
- 入口認証モーダル
- Javascript・CSS無効の環境向けのメッセージ
- Twemoji・Line Awsome(アイコンフォント)の導入
- カテゴリ(2階層まで)をナビメニューとして表示
- 「RSSを出力する」設定にしているときのみRSSリンクを表示
- パンくずリスト
- クイックポストフォームをモーダル表示
- クリックで記事No.リンクをクイックポストフォームに自動記入するボタン
- 日付境界バー内リンクのロボット避け
- 記事No.リンク(例:>>1)クリックでリンク先をポップアップまたは本文内に引用
- カテゴリごとに表示モード・記事表示デザイン切り替え
- mp3・mp4の埋め込み表示
- トップページのみの表示
- 新着画像スライダー
- 更新履歴カテゴリの新着一覧表示
- 先頭固定記事のみ表示
- 記事単体の表示投稿
- 本文1行目を記事タイトルとして
- title要素
- situation行(パンくずリスト内)
- 前後記事移動リンク
- ページ移動リンクに『記事が属しているカテゴリの投稿だけを見る』リンクを追加
- 小説カテゴリに投稿した本文内で区切り文字を自由装飾「hr」で囲んだ時にページ内リンクを生成
- 本文1行目を記事タイトルとして
2017年11月 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する
①ようこそ!『てがろぐ』へ! てがろぐは、マイクロブログっぽい感じのページ生成にも使える、お手軽一言メモツール(掲示板)です。備忘録・メモ帳・日記・チャットツール・掲示板・更新案内などとしてのほか、自分専用(または少人数の仲間内専用)Twitterなどのようにもご活用頂けます。Ver.2からは画像も投稿可能(※複数枚の画像も同時に一括投稿が可能)になったほか、RSSフィードやOGP+Twitter Cardの出力も可能になりました。Ver.3ではカテゴリ分類機能やツイート埋め込み機能・先頭固定機能などが追加されています。 #ご挨拶
①ようこそ!『てがろぐ』へ! てがろぐは、マイクロブログっぽい感じのページ生成にも使える、お手軽一言メモツール(掲示板)です。備忘録・メモ帳・日記・チャットツール・掲示板・更新案内などとしてのほか、自分専用(または少人数の仲間内専用)Twitterなどのようにもご活用頂けます。Ver.2からは画像も投稿可能(※複数枚の画像も同時に一括投稿が可能)になったほか、RSSフィードやOGP+Twitter Cardの出力も可能になりました。Ver.3ではカテゴリ分類機能やツイート埋め込み機能・先頭固定機能などが追加されています。 #ご挨拶
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②スキンHTMLファイルを編集すれば、見た目や掲載内容は自由にカスタマイズできます。てがろぐCGIの配布ページ では、標準スキン以外にも複数のスキンを公開していますので、望みのデザインに近いスキンをベースにしてカスタマイズしてみて下さい! 複数のスキンを並行して使うこともできます。目次のようなページを作りたい場合はサイトマップページモードを併用すると便利です。 #ご挨拶
②スキンHTMLファイルを編集すれば、見た目や掲載内容は自由にカスタマイズできます。てがろぐCGIの配布ページ では、標準スキン以外にも複数のスキンを公開していますので、望みのデザインに近いスキンをベースにしてカスタマイズしてみて下さい! 複数のスキンを並行して使うこともできます。目次のようなページを作りたい場合はサイトマップページモードを併用すると便利です。 #ご挨拶
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③投稿本文内に書いたURLは、標準設定ではそのままリンクになります。 https://www.nishishi.com/ のように。自由な文字でリンクしたい場合は、半角の角括弧を使って [ラベル] を書き、その直後に(空白などを入れずに)URLを書いて下さい。すると にししふぁくとりー のように望みの文字でリンクできます。 #使い方
③投稿本文内に書いたURLは、標準設定ではそのままリンクになります。 https://www.nishishi.com/ のように。自由な文字でリンクしたい場合は、半角の角括弧を使って [ラベル] を書き、その直後に(空白などを入れずに)URLを書いて下さい。すると にししふぁくとりー のように望みの文字でリンクできます。 #使い方
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2017年12月 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する
④標準の文字コード(UTF-8)で使えば、絵文字💚💛💖🍔🍙🍩✨⏰✅や特殊な記号☀☞↗もそのまま入力・表示できます。標準では文字装飾機能は有効(ON)になっていますから数種類の文字装飾ができ続きを読むますが、無効(OFF)に設定することもできます。畳む ……このように途中を隠すこともできます。この投稿を再編集してみると、どう書かれているかが分かりやすいでしょう。 #使い方
④標準の文字コード(UTF-8)で使えば、絵文字💚💛💖🍔🍙🍩✨⏰✅や特殊な記号☀☞↗もそのまま入力・表示できます。標準では文字装飾機能は有効(ON)になっていますから数種類の文字装飾ができますが、無効(OFF)に設定することもできます。畳む ……このように途中を隠すこともできます。この投稿を再編集してみると、どう書かれているかが分かりやすいでしょう。 #使い方
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⑤投稿本文内には # 記号を使ってハッシュタグを書くことができます。同じタグの付いた投稿はまとめて閲覧できるため、後の整理などに役立ちます。英数字だけを使う #HowToUse や、日本語文字だけを使う #使い方 のように書けます。空白や異なる文字種を1つのタグに含めたい場合は、#[Space in タグ]のように半角角括弧で囲んで下さい。この半角角括弧はページ上では非表示になるよう設定することもできます。
⑤投稿本文内には # 記号を使ってハッシュタグを書くことができます。同じタグの付いた投稿はまとめて閲覧できるため、後の整理などに役立ちます。英数字だけを使う #HowToUse や、日本語文字だけを使う #使い方 のように書けます。空白や異なる文字種を1つのタグに含めたい場合は、#[Space in タグ]のように半角角括弧で囲んで下さい。この半角角括弧はページ上では非表示になるよう設定することもできます。
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⑥そのほか、詳しい使い方は てがろぐCGIの配布ページ 内で説明しています。せっかく自前のサーバにセットアップして使えるCGIなのですから、できるだけ自分好みにカスタマイズしてお使い頂けるよう、カスタマイズ方法ページ 等も用意していますのでぜひご参照下さい。この度は、お手軽一言メモCGI「てがろぐ」をセットアップして下さってありがとうございます! 末永くご愛用頂ければ幸いです。機能面でのご要望もお気軽にお知らせ下さい。以上、初回セットアップの #ご挨拶 でした。(๑╹◡╹๑)ノ
⑥そのほか、詳しい使い方は てがろぐCGIの配布ページ 内で説明しています。せっかく自前のサーバにセットアップして使えるCGIなのですから、できるだけ自分好みにカスタマイズしてお使い頂けるよう、カスタマイズ方法ページ 等も用意していますのでぜひご参照下さい。この度は、お手軽一言メモCGI「てがろぐ」をセットアップして下さってありがとうございます! 末永くご愛用頂ければ幸いです。機能面でのご要望もお気軽にお知らせ下さい。以上、初回セットアップの #ご挨拶 でした。(๑╹◡╹๑)ノ
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2020年1月 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する
オツベルと象 第一日曜
オツベルと象 第一日曜
オツベルときたら大したもんだ。稲扱器械の六台も据えつけて、のんのんのんのんのんのんと、大そろしない音をたててやっている。
十六人の百姓どもが、顔をまるっきりまっ赤にして足で踏んで器械をまわし、小山のように積まれた稲を片っぱしから扱いて行く。藁はどんどんうしろの方へ投げられて、また新らしい山になる。そこらは、籾や藁から発ったこまかな塵で、変にぼうっと黄いろになり、まるで沙漠のけむりのようだ。
そのうすくらい仕事場を、オツベルは、大きな琥珀のパイプをくわえ、吹殻を藁に落さないよう、眼を細くして気をつけながら、両手を背中に組みあわせて、ぶらぶら往ったり来たりする。
小屋はずいぶん頑丈で、学校ぐらいもあるのだが、何せ新式稲扱器械が、六台もそろってまわってるから、のんのんのんのんふるうのだ。中にはいるとそのために、すっかり腹が空くほどだ。そしてじっさいオツベルは、そいつで上手に腹をへらし、ひるめしどきには、六寸ぐらいのビフテキだの、雑巾ほどあるオムレツの、ほくほくしたのをたべるのだ。
とにかく、そうして、のんのんのんのんやっていた。
そしたらそこへどういうわけか、その、白象がやって来た。白い象だぜ、ペンキを塗ったのでないぜ。どういうわけで来たかって? そいつは象のことだから、たぶんぶらっと森を出て、ただなにとなく来たのだろう。
そいつが小屋の入口に、ゆっくり顔を出したとき、百姓どもはぎょっとした。なぜぎょっとした? よくきくねえ、何をしだすか知れないじゃないか。かかり合っては大へんだから、どいつもみな、いっしょうけんめい、じぶんの稲を扱いていた。
ところがそのときオツベルは、ならんだ器械のうしろの方で、ポケットに手を入れながら、ちらっと鋭く象を見た。それからすばやく下を向き、何でもないというふうで、いままでどおり往ったり来たりしていたもんだ。
するとこんどは白象が、片脚床にあげたのだ。百姓どもはぎょっとした。それでも仕事が忙しいし、かかり合ってはひどいから、そっちを見ずに、やっぱり稲を扱いていた。
オツベルは奥のうすくらいところで両手をポケットから出して、も一度ちらっと象を見た。それからいかにも退屈そうに、わざと大きなあくびをして、両手を頭のうしろに組んで、行ったり来たりやっていた。ところが象が威勢よく、前肢二つつきだして、小屋にあがって来ようとする。百姓どもはぎくっとし、オツベルもすこしぎょっとして、大きな琥珀のパイプから、ふっとけむりをはきだした。それでもやっぱりしらないふうで、ゆっくりそこらをあるいていた。
そしたらとうとう、象がのこのこ上って来た。そして器械の前のとこを、呑気にあるきはじめたのだ。
ところが何せ、器械はひどく廻っていて、籾は夕立か霰のように、パチパチ象にあたるのだ。象はいかにもうるさいらしく、小さなその眼を細めていたが、またよく見ると、たしかに少しわらっていた。
オツベルはやっと覚悟をきめて、稲扱器械の前に出て、象に話をしようとしたが、そのとき象が、とてもきれいな、鶯みたいないい声で、こんな文句を云ったのだ。
「ああ、だめだ。あんまりせわしく、砂がわたしの歯にあたる。」
まったく籾は、パチパチパチパチ歯にあたり、またまっ白な頭や首にぶっつかる。
さあ、オツベルは命懸けだ。パイプを右手にもち直し、度胸を据えて斯う云った。
「どうだい、此処は面白いかい。」
「面白いねえ。」象がからだを斜めにして、眼を細くして返事した。
「ずうっとこっちに居たらどうだい。」
百姓どもははっとして、息を殺して象を見た。オツベルは云ってしまってから、にわかにがたがた顫え出す。ところが象はけろりとして
「居てもいいよ。」と答えたもんだ。
「そうか。それではそうしよう。そういうことにしようじゃないか。」オツベルが顔をくしゃくしゃにして、まっ赤になって悦びながらそう云った。
どうだ、そうしてこの象は、もうオツベルの財産だ。いまに見たまえ、オツベルは、あの白象を、はたらかせるか、サーカス団に売りとばすか、どっちにしても万円以上もうけるぜ。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/fi...
ここから下ページ内リンクサンプルとして上記をコピペ・適当に分割しています。
オツベルときたら大したもんだ。稲扱器械の六台も据えつけて、のんのんのんのんのんのんと、大そろしない音をたててやっている。
十六人の百姓どもが、顔をまるっきりまっ赤にして足で踏んで器械をまわし、小山のように積まれた稲を片っぱしから扱いて行く。藁はどんどんうしろの方へ投げられて、また新らしい山になる。そこらは、籾や藁から発ったこまかな塵で、変にぼうっと黄いろになり、まるで沙漠のけむりのようだ。
そのうすくらい仕事場を、オツベルは、大きな琥珀のパイプをくわえ、吹殻を藁に落さないよう、眼を細くして気をつけながら、両手を背中に組みあわせて、ぶらぶら往ったり来たりする。
小屋はずいぶん頑丈で、学校ぐらいもあるのだが、何せ新式稲扱器械が、六台もそろってまわってるから、のんのんのんのんふるうのだ。中にはいるとそのために、すっかり腹が空くほどだ。そしてじっさいオツベルは、そいつで上手に腹をへらし、ひるめしどきには、六寸ぐらいのビフテキだの、雑巾ほどあるオムレツの、ほくほくしたのをたべるのだ。
~★~
とにかく、そうして、のんのんのんのんやっていた。
そしたらそこへどういうわけか、その、白象がやって来た。白い象だぜ、ペンキを塗ったのでないぜ。どういうわけで来たかって? そいつは象のことだから、たぶんぶらっと森を出て、ただなにとなく来たのだろう。
そいつが小屋の入口に、ゆっくり顔を出したとき、百姓どもはぎょっとした。なぜぎょっとした? よくきくねえ、何をしだすか知れないじゃないか。かかり合っては大へんだから、どいつもみな、いっしょうけんめい、じぶんの稲を扱いていた。
ところがそのときオツベルは、ならんだ器械のうしろの方で、ポケットに手を入れながら、ちらっと鋭く象を見た。それからすばやく下を向き、何でもないというふうで、いままでどおり往ったり来たりしていたもんだ。
するとこんどは白象が、片脚床にあげたのだ。百姓どもはぎょっとした。それでも仕事が忙しいし、かかり合ってはひどいから、そっちを見ずに、やっぱり稲を扱いていた。
~★~
オツベルは奥のうすくらいところで両手をポケットから出して、も一度ちらっと象を見た。それからいかにも退屈そうに、わざと大きなあくびをして、両手を頭のうしろに組んで、行ったり来たりやっていた。ところが象が威勢よく、前肢二つつきだして、小屋にあがって来ようとする。百姓どもはぎくっとし、オツベルもすこしぎょっとして、大きな琥珀のパイプから、ふっとけむりをはきだした。それでもやっぱりしらないふうで、ゆっくりそこらをあるいていた。
そしたらとうとう、象がのこのこ上って来た。そして器械の前のとこを、呑気にあるきはじめたのだ。
ところが何せ、器械はひどく廻っていて、籾は夕立か霰のように、パチパチ象にあたるのだ。象はいかにもうるさいらしく、小さなその眼を細めていたが、またよく見ると、たしかに少しわらっていた。
オツベルはやっと覚悟をきめて、稲扱器械の前に出て、象に話をしようとしたが、そのとき象が、とてもきれいな、鶯みたいないい声で、こんな文句を云ったのだ。
「ああ、だめだ。あんまりせわしく、砂がわたしの歯にあたる。」
まったく籾は、パチパチパチパチ歯にあたり、またまっ白な頭や首にぶっつかる。
さあ、オツベルは命懸けだ。パイプを右手にもち直し、度胸を据えて斯う云った。
「どうだい、此処は面白いかい。」
「面白いねえ。」象がからだを斜めにして、眼を細くして返事した。
「ずうっとこっちに居たらどうだい。」
百姓どもははっとして、息を殺して象を見た。オツベルは云ってしまってから、にわかにがたがた顫え出す。ところが象はけろりとして
「居てもいいよ。」と答えたもんだ。
「そうか。それではそうしよう。そういうことにしようじゃないか。」オツベルが顔をくしゃくしゃにして、まっ赤になって悦びながらそう云った。
どうだ、そうしてこの象は、もうオツベルの財産だ。いまに見たまえ、オツベルは、あの白象を、はたらかせるか、サーカス団に売りとばすか、どっちにしても万円以上もうけるぜ。
(対象画像がありません)
オツベルときたら大したもんだ。稲扱器械の六台も据えつけて、のんのんのんのんのんのんと、大そろしない音をたててやっている。
十六人の百姓どもが、顔をまるっきりまっ赤にして足で踏んで器械をまわし、小山のように積まれた稲を片っぱしから扱いて行く。藁はどんどんうしろの方へ投げられて、また新らしい山になる。そこらは、籾や藁から発ったこまかな塵で、変にぼうっと黄いろになり、まるで沙漠のけむりのようだ。
そのうすくらい仕事場を、オツベルは、大きな琥珀のパイプをくわえ、吹殻を藁に落さないよう、眼を細くして気をつけながら、両手を背中に組みあわせて、ぶらぶら往ったり来たりする。
小屋はずいぶん頑丈で、学校ぐらいもあるのだが、何せ新式稲扱器械が、六台もそろってまわってるから、のんのんのんのんふるうのだ。中にはいるとそのために、すっかり腹が空くほどだ。そしてじっさいオツベルは、そいつで上手に腹をへらし、ひるめしどきには、六寸ぐらいのビフテキだの、雑巾ほどあるオムレツの、ほくほくしたのをたべるのだ。
とにかく、そうして、のんのんのんのんやっていた。
そしたらそこへどういうわけか、その、白象がやって来た。白い象だぜ、ペンキを塗ったのでないぜ。どういうわけで来たかって? そいつは象のことだから、たぶんぶらっと森を出て、ただなにとなく来たのだろう。
そいつが小屋の入口に、ゆっくり顔を出したとき、百姓どもはぎょっとした。なぜぎょっとした? よくきくねえ、何をしだすか知れないじゃないか。かかり合っては大へんだから、どいつもみな、いっしょうけんめい、じぶんの稲を扱いていた。
ところがそのときオツベルは、ならんだ器械のうしろの方で、ポケットに手を入れながら、ちらっと鋭く象を見た。それからすばやく下を向き、何でもないというふうで、いままでどおり往ったり来たりしていたもんだ。
するとこんどは白象が、片脚床にあげたのだ。百姓どもはぎょっとした。それでも仕事が忙しいし、かかり合ってはひどいから、そっちを見ずに、やっぱり稲を扱いていた。
オツベルは奥のうすくらいところで両手をポケットから出して、も一度ちらっと象を見た。それからいかにも退屈そうに、わざと大きなあくびをして、両手を頭のうしろに組んで、行ったり来たりやっていた。ところが象が威勢よく、前肢二つつきだして、小屋にあがって来ようとする。百姓どもはぎくっとし、オツベルもすこしぎょっとして、大きな琥珀のパイプから、ふっとけむりをはきだした。それでもやっぱりしらないふうで、ゆっくりそこらをあるいていた。
そしたらとうとう、象がのこのこ上って来た。そして器械の前のとこを、呑気にあるきはじめたのだ。
ところが何せ、器械はひどく廻っていて、籾は夕立か霰のように、パチパチ象にあたるのだ。象はいかにもうるさいらしく、小さなその眼を細めていたが、またよく見ると、たしかに少しわらっていた。
オツベルはやっと覚悟をきめて、稲扱器械の前に出て、象に話をしようとしたが、そのとき象が、とてもきれいな、鶯みたいないい声で、こんな文句を云ったのだ。
「ああ、だめだ。あんまりせわしく、砂がわたしの歯にあたる。」
まったく籾は、パチパチパチパチ歯にあたり、またまっ白な頭や首にぶっつかる。
さあ、オツベルは命懸けだ。パイプを右手にもち直し、度胸を据えて斯う云った。
「どうだい、此処は面白いかい。」
「面白いねえ。」象がからだを斜めにして、眼を細くして返事した。
「ずうっとこっちに居たらどうだい。」
百姓どもははっとして、息を殺して象を見た。オツベルは云ってしまってから、にわかにがたがた顫え出す。ところが象はけろりとして
「居てもいいよ。」と答えたもんだ。
「そうか。それではそうしよう。そういうことにしようじゃないか。」オツベルが顔をくしゃくしゃにして、まっ赤になって悦びながらそう云った。
どうだ、そうしてこの象は、もうオツベルの財産だ。いまに見たまえ、オツベルは、あの白象を、はたらかせるか、サーカス団に売りとばすか、どっちにしても万円以上もうけるぜ。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/fi...
ここから下ページ内リンクサンプルとして上記をコピペ・適当に分割しています。
オツベルときたら大したもんだ。稲扱器械の六台も据えつけて、のんのんのんのんのんのんと、大そろしない音をたててやっている。
十六人の百姓どもが、顔をまるっきりまっ赤にして足で踏んで器械をまわし、小山のように積まれた稲を片っぱしから扱いて行く。藁はどんどんうしろの方へ投げられて、また新らしい山になる。そこらは、籾や藁から発ったこまかな塵で、変にぼうっと黄いろになり、まるで沙漠のけむりのようだ。
そのうすくらい仕事場を、オツベルは、大きな琥珀のパイプをくわえ、吹殻を藁に落さないよう、眼を細くして気をつけながら、両手を背中に組みあわせて、ぶらぶら往ったり来たりする。
小屋はずいぶん頑丈で、学校ぐらいもあるのだが、何せ新式稲扱器械が、六台もそろってまわってるから、のんのんのんのんふるうのだ。中にはいるとそのために、すっかり腹が空くほどだ。そしてじっさいオツベルは、そいつで上手に腹をへらし、ひるめしどきには、六寸ぐらいのビフテキだの、雑巾ほどあるオムレツの、ほくほくしたのをたべるのだ。
~★~
とにかく、そうして、のんのんのんのんやっていた。
そしたらそこへどういうわけか、その、白象がやって来た。白い象だぜ、ペンキを塗ったのでないぜ。どういうわけで来たかって? そいつは象のことだから、たぶんぶらっと森を出て、ただなにとなく来たのだろう。
そいつが小屋の入口に、ゆっくり顔を出したとき、百姓どもはぎょっとした。なぜぎょっとした? よくきくねえ、何をしだすか知れないじゃないか。かかり合っては大へんだから、どいつもみな、いっしょうけんめい、じぶんの稲を扱いていた。
ところがそのときオツベルは、ならんだ器械のうしろの方で、ポケットに手を入れながら、ちらっと鋭く象を見た。それからすばやく下を向き、何でもないというふうで、いままでどおり往ったり来たりしていたもんだ。
するとこんどは白象が、片脚床にあげたのだ。百姓どもはぎょっとした。それでも仕事が忙しいし、かかり合ってはひどいから、そっちを見ずに、やっぱり稲を扱いていた。
~★~
オツベルは奥のうすくらいところで両手をポケットから出して、も一度ちらっと象を見た。それからいかにも退屈そうに、わざと大きなあくびをして、両手を頭のうしろに組んで、行ったり来たりやっていた。ところが象が威勢よく、前肢二つつきだして、小屋にあがって来ようとする。百姓どもはぎくっとし、オツベルもすこしぎょっとして、大きな琥珀のパイプから、ふっとけむりをはきだした。それでもやっぱりしらないふうで、ゆっくりそこらをあるいていた。
そしたらとうとう、象がのこのこ上って来た。そして器械の前のとこを、呑気にあるきはじめたのだ。
ところが何せ、器械はひどく廻っていて、籾は夕立か霰のように、パチパチ象にあたるのだ。象はいかにもうるさいらしく、小さなその眼を細めていたが、またよく見ると、たしかに少しわらっていた。
オツベルはやっと覚悟をきめて、稲扱器械の前に出て、象に話をしようとしたが、そのとき象が、とてもきれいな、鶯みたいないい声で、こんな文句を云ったのだ。
「ああ、だめだ。あんまりせわしく、砂がわたしの歯にあたる。」
まったく籾は、パチパチパチパチ歯にあたり、またまっ白な頭や首にぶっつかる。
さあ、オツベルは命懸けだ。パイプを右手にもち直し、度胸を据えて斯う云った。
「どうだい、此処は面白いかい。」
「面白いねえ。」象がからだを斜めにして、眼を細くして返事した。
「ずうっとこっちに居たらどうだい。」
百姓どもははっとして、息を殺して象を見た。オツベルは云ってしまってから、にわかにがたがた顫え出す。ところが象はけろりとして
「居てもいいよ。」と答えたもんだ。
「そうか。それではそうしよう。そういうことにしようじゃないか。」オツベルが顔をくしゃくしゃにして、まっ赤になって悦びながらそう云った。
どうだ、そうしてこの象は、もうオツベルの財産だ。いまに見たまえ、オツベルは、あの白象を、はたらかせるか、サーカス団に売りとばすか、どっちにしても万円以上もうけるぜ。